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巻狩りはグループでやるハンティングです。仲間と一緒に猪や鹿を狩る巻狩りはハンティングの醍醐味と言えるかもしれません。一方で、巻狩りはグループ猟ですから、忘れ物や準備不足が仲間に迷惑をかけてしまいます。それぞれのグループでのローカルルールや個人の趣味で準備するものも違うでしょうが、一般的に揃えるべきものをまとめました。
初心者が使いやすいもの、本当に狩猟で使いやすいもの、快適なものを選んでいます。ホームページやブログ、雑誌に登場する人やライターはこだわりの強いベテランばかりです。そうすると、確かにモノはいいのだけど、そこまでいらんやろ、というモノが紹介されてしまうことも多いです。その辺の畑で仕事するのには、大型ダンプではなく軽トラが最適ですし、子供の送り迎えにはバスじゃなくてミニバンか軽自動車が使いやすかったりします。この記事では軽トラやミニバンのように、本当に使いやすい道具を紹介します。
大体の費用・価格も記載したので、予算を考えるのに役立ててください。画像の一部はAmazonへのリンクになっています。記事が役に立ったと思ったら、ぜひこのリンクから購入してみてください。
後編「猪・鹿の巻狩り(グループ猟)帰ってきてから必要なもの」も合わせてお読みください。
「美味しいジビエを獲って食べる為のマニュアル」のまとめ・目次はこちら
許可証
銃所持許可証
問答無用で必要ですね。
重要度
必ず必要
価格
5万円程度
狩猟者登録証
問答無用で必要ですね。
重要度
必ず必要
価格
3万円程度
バッジ
狩猟登録証と一緒にもらうバッジ。ベストか帽子に付けておこう。外れやすいので、縫い付けておくとベスト。
重要度
必ず必要
価格
狩猟登録すると貰える
許可証類を入れておくチャック付き袋
雨に濡れず、コンパクト。許可証入れはこれが最強。
重要度
必ず必要
価格
100円
無線の免許証
アマチュア無線を使っているグループであれば必須。
資格は4級アマチュア無線技士免許で良い。簡単に取れる。
個人としてのアマチュア無線技士免許を取得後に、局としての開局申請も必要。
重要度
アマチュア無線を使うグループなら必須。
価格
1万円
試験・一発の場合。試験は簡単なので、自習で十分取れます。他に無線局の開局費用が4300円くらい。
衣服・道具(獲物を獲るまで)など
ベスト
オレンジ色のベスト。山の中ではすごく目立つ。英語ではBlaze Orange(びっくりオレンジ!?)。
猟友会に加入するともらえるベストでも良い。ただ、もらう時期でタイプが違うし、使いやすかと言われると微妙な物も多い。他のメーカーのものでも良い。(グループによるので要確認)
オレンジ迷彩柄も良いですね。
重要度
必ず必要
価格
猟友会のベストは入会すればもらえる。買うと5000円くらいから。Aliexpressなんかだと安い。
帽子
ベストと同じく必需品。
重要度
必ず必要
価格
猟友会のものなら入会すればもらえる。ベストはモデルによっては使えるが、帽子は個人的にはすごく使いにくい。買うと2000円くらいから。
アイゼン・クランポン
滑り止め。急斜面では大活躍。泥っぽい斜面や、落ち葉のところではスパイクやアイゼンが無いと滑って歩けない。山慣れしていないなら必須。
本格的なアイゼンだと、かえって危ないし、岩場や舗装路で歩けないので、4本爪が最適。
小さな爪のゴムで止めるタイプも良いが、持ち歩きにはやや
山慣れしているなら必要に応じて判断。
重要度
山慣れしていないなら必須
外した方が良い場合もあるので、コンパクトなものが良い
価格
2000円から5000円程度
レインウェア
寒いときや雨模様のときに。ギタギタになるので、高級品は不要。
でも、透水性がしっかりしていないと蒸れて余計に寒くなるので、それなりのものを。耐水圧10000mm、湿性約15,000g/平方メートル-24h以上は必須。ユニクロやワークマンでは力不足。
重要度
曇り〜雨模様の場合は必要
山手の天気は変わりやすい。車には必ず積んでおこう。
価格
15000円から2万円程度
上記のミズノは厚めだからハイスペック大好きな人たちには受けないだろうが、破れにくく、性能も十分、入手性もよく、コスパ最強。
ダウン
待っている時は寒い。尾根の上だと凍傷になる程寒いこともある。雨が降らない場合はレインウェアは要らないかもしれないが、ダウンは必ず持っていこう。
コンパクトになるユニクロ ウルトラライトダウンのようなものが良い。アウトドアブランドのものなら尚良いが、獲物の血で汚れたり、枝で穴が空いたりするので程々のものが良い。
重要度
必ず必要
価格
4000円〜1万円
トランシーバー
連絡手段として。必須。
アマチュア無線なのか、デジタル簡易無線なのか、グループに要確認。
出力は2W程度で良いので、コンパクトで軽いものが良い。DJ-S42が唯一の選択肢。
ID-31Plusは5W出力可能で良いが、高いし重い。5Wで良かった!と思うことはない。軽いものを高い位置(左肩)に固定する方が効果的。そうすればマイクもいらない。
下記製品はどちらも430MHz帯専用。144MHzを使っているグループはあまりないと思うが、要確認。
重要度
必須
価格
2〜3.5万円程度
イヤホン・ヘッドセット
当然、トランシーバーから音が漏れてはいけないので、イヤホンが必須。コンパクトなトランシーバーなら、左肩に本体を直接取り付けても良いので、その場合はマイクは不要。
耳をぴったり塞ぐものより、外の音も聞こえるものの方が良い。獲物の音が聞こえなくなってしまう。
重要度
必須
価格
3000円程度
枝打ち用のナイフ・鉈
マチ(撃つために待機する場所)の周りの邪魔な枝を刈るためのナイフ。ナタでも。猪の腹を抜くときや、鹿の大ばらしでも使えるような大きめのハンティングナイフが使いやすい。忘れたり、誰かに貸したりもしやすい。
解体用のナイフなしで、山にはこれ一本という人も多いが、解体用は解体用で持っていった方が良い。獲物の解体と枝を払うのでは全く違う作業なのだから、それぞれ適したナイフは違う。解体用のナイフは軽いので、持っていっても負担にならないし、その方がこちらのナイフの選択肢も広がる。
ナイフ選びは難しいが、道具として使う時間は一番長い。こちらの記事も参照して、使いやすいものを持って行こう。
重要度
必須
価格
4000円〜1.5万円
銃関係
散弾銃・ショットガン
当然、持っていかないといけない。持っていくときは、山で使うガンカバーに包んで、持っていく。過剰なケースは不要というか、邪魔。
詳細はこちらの記事を参照。
重要度
必須
価格
0円〜35万円
15万円くらいで素晴らしく良い銃があるのでそれでいい。こちらの記事を参照。
なんでもよければ、射撃場か猟友会で頼んでみよう。格安のものや、タイミングが合えば辞める人のもの貰えるかもしれない。ショットガンは中古でも問題ない。
ガンカバー
銃は猟場以外では必ずカバーをしなければならない。忘れると悲惨なことになる。
薄いものでもいいが、ぶつけたりひっかけたりするので厚手が良い。ダットサイトを使うなら尚更。そうでなければ薄手でも良い。クッション入りのものを使っている人もいる。
下の写真のものは、厚いと邪魔になる、という意見もあるが、ベストの背中に大きめのポケットがあるので、そこに入れておけば良い。
ガンカバーはどれもそれほど作りに違いはない。空気銃はすごく大きな物もあるので、そういった場合は専用のものが必要になるが、ショットガンなら概ねどれでも入る。
重要度
必須
価格
2000円〜4000円
チョーク
チョーク式の銃身の場合はシリンダー(またはインプシリンダー)チョークにしておく。
それ以外でスラッグ弾を撃つと、銃身が破裂する恐れがある。
重要度
必須
価格
銃に付属している
スラッグ弾・サボット弾
巻狩りで使う弾はスラッグ弾かサボット弾だ。15発は持っていこう。経験的に、15発あれば足りる。10発だと足りないことが何度かあった。
ショットシェルポーチに10発、チャック付きビニール袋に5発という感じで持っていくと便利。
10発入りの箱ごと持って行かないように。車の中には置いておけないから、邪魔になる。
重要度
必須
価格
1発250〜400円程度
勝手に宣伝だけど京北総合射撃場は装弾が安い。通販も1万円を越えれば送料無料・代引き手数料無料だからオススメ。
シェルポーチ・弾帯・弾挿し
猟友会でもらえるチョッキ・ベストの弾差しは使い物にならない。必ず、弾を挿しておくケースを使おう。
別で購入したベストで、使いやすい弾挿しが付いているならそれでもよい。
取り出し易さとともに、山の中で落とさないような作りのものが良い。獲物がゾロゾロ出てきて、リロードする機会も数年に一度はあるからそこそこ取り出しやすい方が良い。
重要度
必須
価格
1000円〜3000円
スリング
巻狩りでは山の中を歩くし、獲物が獲れた場合は引っ張ったり、大バラシした獲物を持ってかえったりしないといけない。銃を手に持っていてはもちろんできない。だから、スリングは必須。
一般的なスリングでも良いが、タクティカル系の3ポイントスリングは使いやすい。立って待っている間も手を離しても銃を保持できるて楽だし、すぐに射撃姿勢が取れるので優れもの。簡単に自作もできる。もちろん、普通のスリングのようにも使える。リュックのように背負うこともできるから、山道まで出てきたときや、足場が悪いときには便利。銃口をぶつけないように注意は必要だが……
もちろん、普通のスリングでも良い。
重要度
必須
価格
2000円〜5000円
ダットサイト・照星照門・スコープ(1倍)
巻狩りはグループ猟だ。もちろん、はずすこともあるし、それは仕方がない。でも、できるだけ良い道具(高い道具ではない)を用意しよう。初心者が最も間違えるのが照準器だ。
ダットサイトが一番おすすめ。次いで、1倍のスコープ。ただし、スコープは良いものは高いし、1倍となっていても、1.1倍だったり、1.2倍だったりすると狙いにくい。それに、重い。
まずはダットサイトが良い。光学機器も奥が深いので、どうしても必要ならスコープは次のステップで考えよう。
エアガン(トイガン)ブームのおかげで、日本国内でも簡単に高品質なダットサイトが買えるようになった。一番したのSIG SAUERなんて、ブランド的にもいいんじゃないかな。定番のHOLOSUNもいいだろう。
重要度
必須
価格
2万円〜5万円
獲れた後に現地で使う道具
ロープ
獲物を引きずるためのロープ。猪は解体小屋まで持っていくのが一般的。鹿の場合は現地で解体することも多いが、その場合でも解体しやすいところまで移動させることが多い。
5mくらいのロープ、または平たいテープ。細いと握れないので、ロープなら7mmくらいは欲しい。ツルツルの素材だと、同じく引っ張るときに大変。濡れたり、洗ったりするので乾きやすいもの。
そうなると、使いやすくて入手性も良いものは
クレモナ 金剛打ち 8mm
あたりか。
テープでも良いが、結び方に制約が出るので、絞れる金属の金具付きのものなどが必要。
もやい結び、インクノットくらいは覚えておこう。
重要度
必須
価格
1000円〜2000円
解体用のナイフ
鹿の大バラシ(ロース・後ろ足・前足などの部位に解体する)の為のナイフ。
ナイフの形式としてはドロップポイントが一般的。猪の皮を剥くためのスキナーはこれとは別に必ず必要。
ナイフ選びは難しいが、道具として使う時間は一番長い。こちらの記事も参照して、使いやすいものを持って行こう。スペックが良いナイフ、高価なナイフではなく、用途にあった使いやすいナイフが良いナイフだ。
猪の場合は鉈代わりのナイフと使い分けながら解体する。
重要度
必須
価格
5000円〜1万円
持ち帰って解体するときに使う道具
スキナー(皮むき)ナイフ
猪の場合、山から降ろしてからが解体の本番だ。脂を切ってしまわないように気をつけながら皮を剥いていく。これがなかなか大変で、慣れていても2人がかりで30分〜1時間かかる。
この作業のときには必ずスキナー(皮むき)ナイフが必要だ。これが無いと話にならない。
安物でも良い(すぐに脂がたっぷりつくので、素晴らしい鋼材であっても意味がない)から、必ず持っていこう。
重要度
必須
価格
3000円〜8000円
使い捨て手袋
山での大バラしと同じく、小屋での解体にも手袋を使おう。手袋をしていれば、強力な食器用洗剤なんかでも手を(手袋を)洗える。素手で解体すれば、ヒビあかぎれ間違い無しだ。
重要度
必須
価格
1枚30円くらい
解体用のナイフ
山での解体に使ったものと同じもので良い。ブロックごとにばらしたり、骨から肉を外したり、不要な部分を綺麗にしたり。
重たいと疲れるし綺麗にできない。
小屋で作業するのに、別の小型のシースナイフがあっても良いだろう。
重要度
必須
価格
3000円〜7000円
後編は自宅に帰ってからの道具集です。